小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

DESTINY BREAKER 一章 1

INDEX|1ページ/6ページ|

次のページ
 
一章 鬼人

――――そのもの鬼のごとき恐ろしき力を持つも鬼ではなく
人の形をしていようとも人ではない。故にそのものを鬼人と称す也――――


一章ノ一『始まりの詩』〜輪廻再生〜


人は人の優れたるものを知らない
故に人は鳥に憧れるのであろう
鳥は鳥の優れたるものを知らない
故に鳥は人に憧れるのであろう
自らを知らなければ憧れは永遠

変わることができないことは道理
変わることが不可能なことは常識
変わることが許されない故に強い憧れ
禁断、甘い蜜
禁句、甘い蜜

互いが自らの優れたるものを知り
互いが対象の劣りたるものを知ったとき
憧れは弱くなる、これは道理
蜜は苦くなる、これは常識

苦い蜜を進んで味わおうとは思わない
きっときっと、思わない

しかし
それでも憧れを捨てられぬ者がいたら
変わりたいと願う者がいたら
その者たちに神はどのような采配を振るうのだろうか
願いは叶うのか?
許されぬ願いに天罰を与えるのか?

わからない
誰もわからない





何事にも『前兆』というものは大概ある

『前兆』すなわちきざし

雨が降る前のうろこ雲
自然災害が起きる前の動物たちの奇怪な行動
下駄の鼻緒が切れる。他人に縁のあるものが突然壊れる。
悪いことが起きる前の胸騒ぎ、悪いことが起きた後の胸騒ぎ
etc、etc。


天災人的被害吉報。
自然現象や生理現象、はたまた人間の秘められた能力によるものか
『それ』があったからといって『あれ』が確実に起こるというわけではない。結果的に何も起こらないこともある。だから、あくまで予感予想思い込みの範疇。

しかし、結果的にみれば偶然で片付けることができないことが起きることがあることもまた然り。

しからば、もしもだ。

もし世で起きる現象の大半が『起』と『結』により成り立つとすれば、生物は知らず知らずのうちに『起』を感じていたりするものなのだろう。だから『結』が発生することで自分の中で結びつけることが可能な『起』を探し出し再考することでそれ(・・)に気付いたりする。

気付くか気付かないか。大事か些事であるかは関係ない。

日常には『前兆』溢れている。

しかし、もう一度言おう
何事にも『前兆』というものは《大概》ある

あくまで『大概』
すなわち『全て』と同意語ではない

作品名:DESTINY BREAKER 一章 1 作家名:翡翠翠