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小渕茉莉絵
小渕茉莉絵
novelistID. 40515
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最後に笑うの誰だ―1

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某都市に、 土屋 という地名がある。それは、その通りすべて、“土屋”という200名の一族が住んでいるからだ。一族は山にある本家を頼りに生活している。
なぜなら土屋は一族経営の、世界に通じる巨大会社であるからだ。
給料は各家庭に、毎月配布され、それで生きている。
近くの病院も本屋もコンビニも一族で、学生はそこでバイトして、ただでさえ高いこづかいを稼いでいる。
本家は、主に会社の重役で、一般企業の上層部以上の給料をもらっている。
それを引いた利益を、一族に回しているのだ。
ちなみに、分家の優秀な人物の、秘書まで付いている。

まるでひとつの世界だ。



しかし、そんな本家にはヒミツがある。




「流星、そろそろ本家と分家代表の会議、始まるわよ。」

呼ばれた男性は、土屋本家に伝わる古い着物を着て、女性の方を向いた。
彼は土屋流星。土屋当主の長男で、土屋グループの次期社長である。

「朱音……健太郎は来てるのか?」

朱音は、有名大学をトップの成績で卒業し、異例の速さで次期当主の秘書になった逸材だ。

「当たり前じゃない。また喧嘩すんじゃないわよ。」

こんなに砕けたしゃべりは、本来禁物だ。
でも、ここは2人だけ。
それに……


「朱音…」
「ン…キスは、会議終わってからね。」
「意地悪だな。
「真面目なだけよ。」



そういう関係、だったから。



土屋流星
土屋朱音
土屋健太郎
土屋英


これから、ヒミツの物語が始まる――