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てっしゅう
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「セックスアンドザシックスティーズ」 第二十九話

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大阪へ向かった新幹線の中では恵子が高志に寄り添うようにして座っていた。
静岡の会社から今は大阪に転勤していたので、今日はどちらに泊まろうか相談していた。

「ねえ?どうする。わたしのところに来る、それともそちらへ行きましょうか?」

「恵子さんのところがいいな。僕のほうが荷物少ないしね」

「ええ、そうしましょう。もう映子さんたち家に着いたかしら」

「多分ね。でも新宿駅からはバラバラに帰って行くんだよね。なんだかそれも寂しいね」

「仕方ないわよ。不倫なんだから」

「そうだけど、そんな思いを引きずりながら続けてゆけるのかなあ」

「わたしは無理だけど、映子さんはそれなりに割り切って付き合っているから大丈夫なんじゃないのかしら」

「そんなものか、俺だって無理だろうなあ。独占したくなってしまうから」

「いつか別れる時が来るでしょうから、その後ご主人と仲良くできればそれはそれよね」

「ならいいけど。早く気付いて典子さんのようにご主人と仲良くされたほうが幸せだと思うけどね」

「典子さんは本当に嬉しそうだったものね。あんな表情会ってから初めて見たわ。いいことあったのかしら」

「多分ね、想像だけど・・・」

「なにが想像なの?」