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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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お弁当ものがたり

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意外なお弁当



これはワタクシではなく、弟のお弁当の話。

弟が中学生の頃のことです。
あるとき、給食がなくてお弁当を持って行くことになりました。

ところが、弟は母にお弁当のことを頼み忘れていたのです。

ワタクシも知っていれば、自分のお弁当のおかずを残しておいたのに、知らなかったので自分の分しか作りませんでした。

もう電車の時間が迫っていたので、母の困ったとつぶやく声を背中に聞きながら家を出ました。

今だったらコンビニがあるので、ずいぶん便利なんですけどね。

弟のお弁当がどうなったか、家に帰ってから聞いてみました。

「いや〜〜、最初は恥ずかしかったけど、みんなにうらやましがられたよ」

といいます。

「何持って行ったの?」

と、ワタクシが聞くと母が

「ボンカレーだよ」

と答えました。

「だって、なんにもおかずがないんだもん。しょうがなくて」

母の苦肉の策というところでしょうか。

次の日、ワタクシの同級生が弟のことを妹から聞いたと言って話しかけてきました。
ちょうど、弟Kと彼女の妹E子ちゃんが同じクラスだったのです。

「ねえ、昨日Kくんがボンカレーもってきたって?」

「そうなのよ。おかずがなくて困ったんだって」

「クラスのみんなの人気になったって言ってたよ」

ということでした。

まあ、めでたし、めでたしですね(*^_^*)

作品名:お弁当ものがたり 作家名:せき あゆみ