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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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お弁当ものがたり

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給食のこと



昭和40年代の給食は自校方式、つまり学校内に給食室があって、給食のおばさん方がせっせと作ってくれていました。
戦後かなりの時間がたったとはいえ、あの悪名高い脱脂粉乳は依然と続いており、においが苦手でようやく飲み干すといったところでした。その頃は先生の権力は絶対でしたから、給食に厳しい先生が担任だったりすると、全部食べ終わるまでその生徒の机には給食が置いてあるというようなこともありました。

幸い、ワタクシはそういう担任に当たらなかったので、嫌いなモノを残しても叱られたり、そういった拷問のようなことをされたりしませんでした……、と待てよ。嫌いなモノってあったかしら? ワタクシって(爆)

基本的には食べられないほど嫌いなものはありません。
でも、おおざっぱに切ったニンジンとか、長ネギには閉口しましたっけ。

小学校の低学年の頃は大きなコッペパンが一個出ていました。中学年になったころ、小さめのコッペパンが2個になりました。
ちょうどその頃です。
それまで大きなフォークだったのが、これまた悪名高い先割れスプーンに代わったのは。

あれは最悪でしたね。
だって、うどんやスパゲッティがとれないんですもん。
いわゆる「犬食い」という食べ方になってしまうのも無理はありません。

給食も教育の一環といっておきながら、おおざっぱに切って生煮えの野菜とか出されたりして好き嫌いを助長したり、先割れスプーンなんていうヘンなモノを使わせて、行儀の悪い食べ方にさせたりするなんて、ぜんぜん教育とはほど遠いことをやっていましたね。

小学校の最後の給食のとき、野菜スープが出て、機嫌良く飲んでいましたら、青虫が浮いていて……。とほほな思い出です。
そのショックで野菜スープがしばらく飲めなくなったことがありました。

中学校に入ったら食パンになって、脱脂粉乳は牛乳に代わりました。依然として自校方式です。
人気メニューで、パンではダントツなのが揚げパンということですが、ワタクシはあの脂っこさが苦手であまり好きではありませんでした。

でも、こうして思い出そうとしても、それほどインパクトのあるおいしさだったおかずはなかったように思います。だって、ぜんぜん思い出せないんですから。
鯨の竜田揚げのほかには肉じゃがくらいですね。美味しかったのは。

まずかったものばかり思い出すのは、やはりトラウマなんでしょうか。
たしかに栄養価を考えて苦労して作っていただいたものですので、悪くいってはいけないのでしょうけれども、とてもそうとは思えない味付けのモノがあって、未だに忘れられないのです。

小学校の低学年の時に一度だけ出たおかずですが、その味といったら、まるで吐瀉物のような味──乳製品を食べたり飲んだりして吐いてしまった時のような──
なにかの和え物だったのですが、あまりにまずくてクラスの生徒全員が残したほどでした。さすがにそれは先生も残さず食べなさいとはいいませんでした。

当時は残したものは、汁物以外は家に持って帰ることになっていて、それを持って帰ったとき、母が味見をしてあまりにひどい味に怒ったほどでした。

二度と出なかったということは、さすがに給食室にクレームがいったのでしょうね。

作品名:お弁当ものがたり 作家名:せき あゆみ