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画面越しにお話しを。

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2ヶ月前、俺はパソコンを前に項垂れていた。というのも、その日一学期最後の授業である情報で課されたホームページ作りが原因だったりする。
ホームページは自分の好きなモノ、または趣味を題材に作成することが条件となっているがそれ以外は特に制限がなく各々自由に作成することができるようだった。

そして、流石の現代っ子とでもいうべきかクラスメイト達は次々に素晴らしい出来のホームページを作成させ、帰路についていく。みな、迫りくる夏休みに想いを馳せているようだ。夏休みは海に行こうだの合宿がどうのだの実に楽しげな会話が聞こえてくる。

俺は、そんな彼等を横目で恨めしげに眺めたあと、眼前に広がる真っ白な画面に深いため息をついた。
人に誇れるような趣味なんて、一つもない。強いていうならホラーゲームが好きだけど、俺がプレイするのはその中でもかなりマニアックな部類に入るモノだ。ただでさえクラスで浮いているというのに、そんなホームページを作成したらドン引きされるに決まってる。
かといって妥当な題材が思いつくわけでもなく、ああだこうだと考え込んでいるうちに時間だけが過ぎてしまった。
パソコンルームにはすでに、担任でもある佐々木先生と俺しかいない。しかもその佐々木先生すらなにやらいそいそと帰り支度をしているようだ。

さて、どうしたものか…。
作品名:画面越しにお話しを。 作家名:ま く ら