小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
海野ごはん
海野ごはん
novelistID. 29750
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

これは明け方のバーのマスターの物語

INDEX|5ページ/5ページ|

前のページ
 


『もう、朝になっちゃったよ、マスター』
『みんな、起こさなくて大丈夫かな』
ソファーの方では死んだようにみんな寝ている。
  


『マスター、私がニューヨークに行ったら寂しい?』
『ああ、淋しい。でも、また会えるだろ・・・』
『わからない。今日が永遠の別れになるかもしれない・・・どうする』
『どうするって言ったって・・・』
『マスターが行くなって言ったら。。。行かない』
『・・・・嘘だろ。この嘘つき女、ははは』
『マスター、私のこと嫌い?』
『スケベしたいほど好きだ。ははは、とんだハレンチ親父だな』
『私、マスターのこと好きだから、いいよ。。。。』
『大人をからかうもんじゃない。だけど、うれしいよ。。。』
『やっぱりマスターね・・・』
『・・・・・・』



『マスター、こっち来て』
彼女はキスを求めるようにカウンターの上に乗り出してきた。  
僕達はカウンターを挟んでキスをした。
あたたかい彼女の唇がドキリとした。
  
『最初で、最後のキス。マスターにプレゼント』
『最後なのか・・・残念・・・ありがとう』
  

喧騒のあとの二人のキスは静かなキスだった。
そして、それは永遠の別れのキスとなった。

(完)