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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼第二部・第三回】きみぼく

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軽く体を揺すられて京助がうっすら目を開けると眩しさに再び目を瞑った
「京助朝だっちゃ」
「あ? …あー……いてて;」
瞑った目をまた再び開けると目の前には緊那羅
座ったまま寝ていたのか尻が痛かった
「京助…あの…」
「はよさん…っあー…ケツ痛ぇえ…;」
伸びをしている京助を緊那羅が見る
「私…」
「緊那羅」
緊那羅の言葉を京助が遮った
「呼んでんじゃん;返事くらいしろよ緊那羅」
「あ…な…んだっちゃ?」
気のせいか【緊那羅】という部分だけ少し声が大きく聞こえた
「味噌汁飲みてえ」
「味噌汁…だっちゃ? ふのりの?」
いつも京助がせがんでくる味噌汁の具材を緊那羅が聞き返す
「んや…緊那羅が作るんならなんでもいい」

気のせいじゃない
やっぱり【緊那羅】の部分だけ少し声が大きい

「俺は緊那羅の味噌汁飲みてえだけだから さ」
頭をかきながらいう京助をきょとんとした顔の緊那羅が見る
「お前…緊那羅の」

【緊那羅】
そう京助が言う度生まれるあったかい何か
「…うん…」
満面の笑みで緊那羅が返事をした
「やっと笑ったかたわけめ…」
「はははっ」
へっとお決まりの笑い方をした京助が立ち上がる
「ってか今何時よ」
「えっ…と…」
京助に続いて立ち上がった緊那羅に京助が聞く
「7時半だ。よかったな今日が土曜日で」
京助でも緊那羅でもない声に2人そろって振り返り窓に駆け寄る
「と…」
「竜…」
窓の外にはカゴに畑の野菜を収穫している竜之助がいた
「ハルミと慧喜が朝飯作っるぞ」
「えっ;京助私先いくっちゃ」
パタパタと緊那羅が部屋から出ていった
「京助」
竜之助が京助を呼ぶ
「お前ヘタレだなぁ…」
「は?;」
ヤレヤレとため息をつく竜
「緊那羅に先に言わせてどうする」
「んなっ!?;」
一瞬で京助の顔が赤くなった
「でもま…とりあえずオメデトウ」
「てめ…なんで…っ;」
窓から身を乗り出して京助が聞く
「早く顔洗ってこいよー?」
「ちょ…っ…; この腐れ親父っ!!;」
そういって勝手口から台所に入っていった竜之助に京助が怒鳴るとその声に驚いたカラスが羽ばたいた