涙のわけ / 詩のようなもの
どうしようもない
シャカイやセカイ
あるいはセイジやケイザイ
などのことについて
もっと知らなくてはならない
といつも心の隅の方のさらに
横の方で思ってはいる
のだけれど
どうも
どうもそういう方面には乗り気
になれない自分がいて
どうも
どうにもこうにも
どうしようもない
でもやはり
そういうことを心得ていないと
たとえば戦争
などという大波が来たとき
戦中の文学者や詩人たちのように
足元から根こそぎさらわれる
危惧もあったりしたりする
のだけれど
どうも
どうもそういう方面にはその気
になれない自分がいて
どうも
どうしようもなく
どうしようもない
夏である
作品名:涙のわけ / 詩のようなもの 作家名:池本浩一