小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

コスモス2

INDEX|7ページ/7ページ|

前のページ
 

 私は手を挙げなかった。みんな、不思議そうに「七不思議だぁ」とかなんとか云って笑っている。
そんな話も、掃除の時間にはあっさりと消えてしまっていた。いつもの、日常風景が戻る。帰ろうと鞄を持って部屋を出ようとしたとき、静香がそっと私に耳打ちした。
「キレイだね、コスモス」
 静香は故意的にそう云ったのか、それともたまたまそう云ったのか、私にはわからなかった。でも、そんなことはどうでもよかった。私はなぜか涙が溢れてきて、止まらなくなった。静香が、やさしく「可菜子」と肩を抱いてくれた。周りのみんなは、とても怪訝な顔をしていることだろう。そんなのもかまわず、私は泣き続けた。子どもみたいに、わんわん泣いた。

 キレイだな
 もう一度、そう云ってよ、
 あなたのその言葉、もう一度聴きたいよ。
作品名:コスモス2 作家名:紅月一花