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海野ごはん
海野ごはん
novelistID. 29750
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星を見ながら二人で作る物語

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「あのさ、二人で物語り作ろうか」僕は彼女に提案した。

「どんな?」

「恋物語。星の恋物語。交互に続きを作っていくんだ」

「いいわね。あなたからやる?」

「いいよ、じゃ・・・南のケンタウルス王子は、北のカペラが好きだった」僕は言った。

「でも、カペラはベガが好きだった。三角関係ね。。。」

「ケンタウルスはやきもちを焼いて、北斗七星のミザールと付き合った。4角関係だ」

「カペラはミザールに嫉妬した。好きでもないのに」

「それはケンタウルスの作戦だった。カペラは自己主張の強い女だ」

「だけど、ミザールも負けてなかった。色仕掛けでケンタウルスをまいらせた」

「ケンタウルスはミザールと付き合いながらカペラも振り向かせようとしていた」

「カペラはまんまとケンタウルスにだまされた。。。ね~、それって私達みたいじゃない」

「ケンタウルスが僕でカペラが君かい?」

「なんだかそうじゃない?思い出した。あなたには私と付き合う前女がいたのよね」

「えっ、そうだっけ?」僕はしらばっくれた。

「私、なんだか悔しくてあなたのこと夢中になったのよね」

「そうだったの?」

「あれは作戦だったの?」

「どうだったか・・・思い出せない」僕は笑った。

「いや、今ばれた。正直に言って御覧なさい」

「君が勝手に好きになってくれた。。。種はまいたけど。。。」

「ほら。。。やっぱり。。。それであの子は今どこにいるの?」

「知らない。知るはずない。僕は君に夢中だし。。。」

「隠してて、まだ付き合ってたりして。。。」

「それはないない。全員やめた」

「全員?そんなにいたの?」

「星の数ほど」と言って、僕は空を指差した。

彼女は僕の指を捕まえると、口の中に入れた。そして

「でも、今は私だけのもの。。。。わかる。。。」と言った。

「ばれたらしょうがない。。。君しかいない。。。」

彼女は言った。

「実はカペラも、それを計算していた・・・」と。

僕は彼女の背後から、熱いキスを送ってやった。


(完)