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御主人様と御姉様と私

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疲れている時はコーヒーを入れて下さる御姉様。

辛くても頑張れる。

帰りも3人一緒。
元気な日は私が運転する。
時には夕飯も一人で作る。
私の精一杯の気持ちです。







・どこが好き?


御主人様に聞いた。
私のどこが好きですか?

「健気に尽くしてくれる処かな」

…夜の方は?

「……腋」

御主人様ってちょっと変。

御姉様に聞いた。
私のどこが好きですか?

「寂しがりで甘えんぼなとこ。私を愛してくれている証拠だから」

…夜の方は?

「……ぺた胸」

御姉様のばかぁ。







・ご奉仕


「御主人様に御奉仕したいの?」

真っ赤になって頷いた。

「私に試してみる?」

初めて主導でキスをした。
結局、御姉様のペースに呑まれて何も考えられなくなる。

「やっぱり可愛いから責めたくなるもの。安心して、
貴女が身も心も包み隠さず委ねてくれる事こそが最大の奉仕なのよ?」







・ジェラシー


仕事中に髪を掻き上げふと御姉様を見遣る。
私が異動する前に親しかった同僚と談笑していた。
鼓動が速くなる。

えも言えぬ感情が爆発して震えが止まらない。
胸が苦しい。全身が痺れる。

「あおちゃん」

名を呼ばれて我に返る。
何点かミスを指摘された。
私にとって今はそれどころじゃ…







・お仕事


冷蔵庫にあった水を取りだして一口飲む。
カップにコーヒーを入れて冷蔵庫に入れた。
そろそろお昼休みが終わる時間。
御主人様と御姉様は相変わらず忙しそう。

「あ、あおさんありがと~です」

こっそりやっておいた作業がばれた。
無垢な笑顔を見て少しだけ癒される。
少し頑張れそう。







・差し入れ


ペットボトルに水を入れ、冷蔵庫のコーヒーと入れ替える。
会社の水とコーヒーで過ごすのが最近の日課。
そのせいもあり一向に減らないハーブティを後輩に入れたらとても美味しいと喜んでくれた。

少し嬉しい。
帰りの車の中、御姉様は疲れているのか窓の外を見ながら一言も話さない。







・お仕置き


「あの子が好きなの?」

目が据わっている。

「お、お姉様だって、やっ!」

抵抗する余裕も与えられない。
普段はファッションとして利用される手錠もこの時ばかりは高い効果を発揮する。

「口答えするの?」

御姉様は本気だ。
私をベッドに押し倒すと鞭を手にする。

「誰にも渡さない」







・お仕置き2


「や、いやぁっ!」

いつもと違う御姉様に驚き契約が溶ける。
今の立場を例えるならば調教師と奴隷だ。
拒む権利が無い事は理解していても遺伝子的に恐怖を跳ね除けようと抵抗する。

「外に出られない程醜い顔にされたいの?」

静かに笑う御姉様は思い切り振り上げた鞭で地面に打った。







・お仕置き3


この人を信じた私が馬鹿だった。
顔面蒼白になり恐怖に震える相手を情け容赦無く追い詰める。
まさに冷酷無情。

私は隙を見せた一瞬を突いて走る。

「御主人様助け、ひうっ!」

入口に差し掛かった瞬間背中に絶痛が走る。
たった一撃で膝を折った私の髪を掴む。

「簡単に壊れないでね?」







・お仕置き4


あまりの痛みにほとんど意識の無い私を無理矢理立たせると手錠に鎖を繋ぎ、
ベッドの天蓋を支える柱に固定する。

爪先立ちで辛うじて立てる高さで、その姿勢を続けるだけでも汗が噴き出た。
背後に居る御姉様が時折風を切る。
それに反応して体を縮める私を見て楽しんでいるようだ。







・お仕置き5


猫のように気紛れな御姉様が愛用するのは先端が九本に別れたキャットナインテイル。
その九匹の猫達が私の身体に幾度と無く爪痕を残す。
服が裂け油汗に濡れた私の背中を御姉様が舐める。

「ひぁ…っ!」

思わず我慢していた声が漏れる。
御姉様は小さく笑って私の下着を脱がした。







・お仕置き6


御姉様はそれを嗅ぐと更に笑みを深くした。
私の口に押し込み耳元で囁く。

「根っからのMだこと」

言霊と鼻腔に広がる生臭さが私に火を付けた。

「んふ、むぐぅ…!」

打たれる度に声が漏れる。
我慢の限界だった。
痛みを超越して御姉様からの愛を受け止める。

「その従順な所が好き」







・お仕置き7


「さっきから何言ってるの?」

猿轡を外して問う。

「やめて…」

一振り。

「違うでしょ」

「御許し下さっ、い」

一振り。

「言葉遣いじゃないの」

完璧なまでに私を手の内で弄ぶ嬉々とした御姉様が愛しい。

「…嬉しいです、御姉様」

そしてそんな御姉様に健気にお仕えする自分自信に酔う。







・お仕置き8


「ごめんね、珍しくスカート履いてるからついムラムラと……よしよし」

拘束を解かれると同時に涙が溢れて来た私の頭を撫でる。
でもあれはちょっとやり過ぎた…どころじゃなく、確実に本気だった。

「新しい服下さい…」

ふて腐れる私に御姉様が脱ぎたてをくれた。

……いいにおい。







・翌日


背中が痛い。
車でも事務所でも背凭れは使えない。

「ひゃぁん!?」

いきなり背中を指先でつー…、こんな時に貴女って人は。

「おはよ、今日も頑張ろうね」

罠ですよね。

「あら、あおちゃんどうしたの可愛い声出して」

「先輩がひゃぁんっだって…もう一回言って下さいっ」

御姉様……







・御姉様の上


仰向けに眠れない私は御姉様の上になる。
誘うような瞳に吸い込まれて自然とキスをした。
私を抱き締める細い腕が背中を撫でる。
痛痒さと優しい手が心地良い。

「今日もまた他の子に色目使ってたでしょ」

爪を立てる。

「っつ…私には御姉様しか」

最近御姉様のドSに磨きが掛かった……







・出張


御主人様が最近帰らないと思ったら出張中だったらしい。
多忙だと言う事は理解している。
でも出発前に教えて欲しかった。
それ以上に私が知らなかった事こそが大罪。

御主人様がくれたアンクレット。
私があの御方の物である証明。
御姉様が私を戒めたもう一つの意味が今理解出来た。







・失格


御主人様に助けを求めた日、帰宅しているかも解らなかったけれど思わず呼んでしまった。
でも既に出張していたのだからそれ以前の問題だった。
それすらも知らずに御主人様に愛される私に御姉様は苛立ちを覚えたはずだ。

私は何て愚かなんだろう。
御二方の顔に泥を塗った気分だ。







・融合


御主人様は根っからのS。
私を責め、自身は御姉様に奉仕を命じる事で満足する。

御姉様は器用に私を責め、御主人様に甘える。

私はお二人の全てを受け入れる。
時には御姉様を慰める事もあるけれど。

私達は3人で見事に調和が取れる。
それは三角関係ではなく全てが融合した点の関係。







・大切な首輪


「ねえ、首輪だけじゃ飽きてきたんじゃない?」

御主人様が居ないのをいい事に御姉様は私を堪能していた。

「飽きるも何も御姉様が下さったんですからお風呂と仕事以外で外す気は無いです」