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CROSS 第5話 『忘れてはならぬ戦い』

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   ボゥン!!! ボゥン!!!

 突然、不気味な爆発音が山口たちの耳に響いた。その音を聞いた彼らは笑うのを止め、元の緊張した表情に戻った。
「大丈夫だ、みんな!! 旧式の高射砲だ!!」

   ボゥドゥン!!!

 爆発音とともに、何かが破壊される音がした……。驚いた兵士たちが窓の外を一斉に見る。
 するとそこには、先ほど窓に映りこんでいたモビルスーツが、炎上しつつバラバラになりながら降下し続けていた。敵の高射砲が命中してしまったのだった。そして、あっという間に無数の鉄クズとなった。よく見ると、モビルスーツの中にいた兵士もバラバラになっていた。

 その光景を見てしまった兵士たちは、隣の人間と顔を見合わせたりして動揺していた……。その動揺を収めようと、山口がまた口を開く。
「この強襲着陸ポッド『ネイル』は高射砲レベルの攻撃に耐えられるようになっている!!!」
気休め程度にはなったようだ。

『着陸1分前です。着陸後1分後に作戦開始となりますが、その前に作戦の内容を簡単におさらいします』
いきなり、ポッドのコンピューターがしゃべり出した。山口も佐世保もみんな黙った。
『このポッド内にいる第33中隊の150名の兵士は、山口少尉の指揮の元、敵の陣地を破壊しつつ、防壁の向こうにある敵の町『カーム』を占領してください。あなたたちの中隊が所属する大隊は西側からの攻略となり、他の大隊との合流は、町の中央にある広場となります。他の中隊の兵士とも協力して、少しでも早く合流してください。
 注意点は、上空から降下してくる味方のモビルスーツの着地と、険しい地形に注意しなければならないということです』
山口たちは、ただ黙ってうなずくだけだった。早退という選択肢など無い。
『着陸10秒前です。着陸に備えてください。 7…6…』
おさらいが終わったかと思うと、すぐに着陸するまでのカウントダウンが始まった。時間の流れを早く感じる。
 窓の外を見てみると、確かに地表まであと少しという高さだった。どうやら地表は、茶色い岩石で覆われており、高低差が激しい荒涼とした地帯のようだ。