扉の先
第1章 森にいる魔女
扉を出ればそこは何処までも広がる森。
そこは静寂で薄暗く鳥の囀ずりさえ聞こえない不気味な森だ
でも僕は闇と同じように歩き続ける、行き先が無いまま。
森は僕に問かけた。
「何処から来たんだい?」
「闇から」
「闇?」
「そうです。」
「それじゃあ、ずっと歩き続ければ小屋がある。そこに住んでいる女の言うことを聞きなさい、必ず役に立つから。」
と言って森の声は消えた。
それから何時間たっただろう、歩いても歩いても小屋は何処にもない。
何処に行けば見つかるのか、何をすれば報われるのか、僕はまだわからない。
遠くに川の流れる音が聞こえる
魚が住めるような綺麗な川ではない。
今にも壊れそうな橋。
渡れば川に落ちるかもしれないが、僕は落ちても構わないと思い渡った。
ぎしぎし音をたてながら橋を渡る。
さっきまでの気持ちが消えるように僕は橋から落ちたくないと少し思った
何故なら橋を渡った所に小屋があったからだ。
慎重に橋を渡り、渡り終えた時後ろを振り替えれば橋はもう無かった。
小屋の扉をノックしたけれど返事はない。
扉を開けようとしたけれど鍵がかかっている。
ふとポケットの中を思い出す、ポケットには小さな鍵と切符。
扉を鍵で開けてみると開いた。