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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼第二部・第二回・弐】小さなこいの唄

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フォオオオオ…ン…

無駄に広くやたら長い廊下にこだますけたたましい音

ダダダダダダダダダダ

同じく響く足音は二つ分
「だーッ!!;」
「見つかっちゃったね」
足踏み揃っての全力疾走をするのは迦楼羅と烏倶婆迦

フォオオオオ…ン…

天という場所にある宮の中で繰り広げられる宮司との追いかけっこ
「空のお前が天の宮にいれば宮司が追いかけるのは前回のことも含めわかっていただろうがッ!!;」
迦楼羅が走りながら怒鳴る
「舌噛むよ」
「やかましいわッ!! たわけッ!!;」
キュキュッと急ブレーキをかけた二人が曲がり角を曲がった
「前回のこと忘れたわけではなかろう!!」
「忘れてないよ」
烏倶婆迦がさらっと答えると迦楼羅の口元がひきつる
「だったらどうして来たのだ!!こうなることがわかってッ!!;」

フォオオオオ…ン…

曲がった角の向こうからまた聞こえた宮司の声
「おいちゃん乾闥婆に会いたい」
「はっ!?;」
烏倶婆迦が言うと迦楼羅の走る速度が落ちた
「追い付かれるよ?」
「っ…;」
振り向いた烏倶婆迦に言われて迦楼羅が速度を上げ烏倶婆迦に追い付くとまた足踏み揃えて走る
「乾闥婆どこ?」
お面の顔の烏倶婆迦が迦楼羅に聞く
「おいちゃんは乾闥婆に会いたいんだ。だから来た」
迦楼羅が何か言おうとして口を開いた
が何も言えずに眉をひきつらせて口を閉じる

フォオオオオ…ン…

宮司の声がまた宮に響いた