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出会いは衝撃的に(前半)

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再びの衝撃



 浅野が救急車で搬送された病院で紹介された「森本整形外科歯科内科」を最初に訪れたのは、事故から数日後のことだった。徹夜明けなので朝の七時頃から六時間ほど眠り、午後になってその病院へ行くと、浅野は腰が抜けそうなほど驚嘆させられることになった。
 その中規模の病院は、浅野の住まいから自転車で五分という場所にあった。そこでは途中で何匹もの猫に出会うような、のどかな住宅地だった。道路で遊んでいる子供たちも多い。
 建て替えられたばかりらしいきれいなその病院は、人気が高いのだろう、来院者が非常に多いのだった。殊に高齢の患者が目立って多かった。受付で紹介状と診断書のコピーを提出し、事故の内容と相手の保険会社名を云った浅野は、首と肩と背中と腰の痛みを我慢しながら、例によって小説の文庫本を読み始めた。
 長時間待たされた浅野は、名を呼ばれると慌てて診察室に入り、椅子に座ってから白髪の老医師に症状を訴えた。それを聞きながらカルテを作成した医師は浅野を立ち上がらせ、首や腰がどの程度動かせるかを確かめたあと、握力の測定をした。
「そうですか。その痛みは簡単には取れないでしょう。ですから、気長に治療を受けてください」
「時間がかかりそうなんですね。わかりました。よろしくお願いします」