「セックスアンドザシックスティーズ」 第二十五話
「ありがとう。じゃあ今夜はそうするか・・・」
「えっ?今夜ですか?明日の運転に支障が出ませんか?」
「何言ってるんだ!剛史さんと一つしか違わないんだぞ」
「そうでしたね。すみません。ボクも頑張ります」
「多分みんな今夜は頑張ると思うよ。隣を意識して女性達はきっとより激しく求めてくれかも知れないよ」
「ライバル意識ですか?」
「そう・・・そんな気がする」
「こういうところは壁が薄いですから、声が聞こえてきそうですね」
「そうなるかも知れないな。キミのところは一番なんじゃないかな?」
「声ですか?」
「若いから」
「みんな同じ年ですよ!」
「そうだったな。忘れていた・・・美紗子さんでしたか、典子と同じ年には絶対に見えないですよ」
「独身でしたからそう見えるんでしょう。これからは皆さんと同じになってゆきますよ」
「おれたちだって人の事言えないけど、10年もしたら年齢の差なんて解らなくなるんだろうね」
「きっとそうですよ。イヤになりますね・・・いつまで現役でいられるんでしょうかね?」
「う~ん、そうだな。70ぐらいかな」
「あと10年ですか・・・美紗子も変わってしまうんだろうなあ」
「そんな事ないですよ。女性はみんな元気だし恋をしていると老けないって言うから、大丈夫なんじゃないですか?」
「そうあって欲しいですね。じゃあ、部屋に戻りましょうか?お待ちかねだといけないから」
「キミのところはそうだろうね」
「典子さんも同じですよ、きっと」
「そうだろうか・・・」
部屋に帰ってきてそれぞれに分かれておやすみを言った。
作品名:「セックスアンドザシックスティーズ」 第二十五話 作家名:てっしゅう