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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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ツイン’ズ・アナザー-魔法使いになったら-

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 時すでに遅し、あたしの顔は真っ赤になって吹っ飛ぶ寸前です。だって、チョコの形が、チョコの形がハート型なんだもん。しかも、『愛してます』ってホイップチョコで書いてあるし。自爆です。
 ハート型のチョコを見た愛さまは少し笑を浮かべました。てゆーか、愛さまに笑われた!? もう、恥ずかしくって、生きて行けないです。
 ああ、そしてチョコレートが愛さまのお口の中に……色っぽいです。
「うん、おいしい」
 おいしいって、溶かして固めて、ホイップしただけですよ。
 もうダメです。恥ずかしすぎて、また、意識が……。
「大丈夫か!? 顔がさっきよりも赤いぞ!」
 慌てたようすの愛さまがあたしの顔を覗き込もうとして、足を滑らせて、そのままあたしの身体を……。
 ……頭が真っ白になりました。だって、だって、愛さまの柔らかい唇が、あたしの唇に重なって……。
「す、すまない!?」
 愛さまは飛び上がり、目を丸くしました。こんな愛さまの表情を見たのは初めてです。だって、いつもクールな表情ばっかりで。この表情はあたしだけのものなんですよね。
 保健室に沈黙が流れました。
 少ししてあたしは正気を取り戻し、ことの重大さに困惑。
 だって、キスですよ。憧れの愛さまとキス。それもあたしのファーストキスを奪われました。
 もう、何がなんだか……絶対今日で宇宙は滅びます。
 あたしは顔を真っ赤にして保健室を飛び出しました。
 恥ずかしさもあるけど、それよりもうれしさでいっぱいです。だって奇跡が起こったんですよ。……もしかして、魔法のチカラ?
 違います。魔法のチカラなんかじゃないですよね、きっと。でも、どっちでもいいんですけどね。これはあたしの大切な思い出ですから。
 とにかく誰でもいいから、素敵な思い出ありがとう♪
 あたしのファーストキスはチョコの味。なんちゃってね。

 おしまい