本当にあったゾッとする話4 -連鎖する偶然-
さて、本題に入ります。
私の父方の祖母は、郷里で一人暮らしをしていました。
その祖母が亡くなったのは、今から30数年ほど前のことです。
おそらく脳梗塞か脳卒中だったのでしょう。トイレで倒れ、意識が無いまま病院に搬送されました。
東京から駆けつけた私の両親は、それから病院に泊りこみました。
今ほど医療も医療機器も進んでいなかった当時、いつ心臓が停止するかわからない状況で、私の両親は交替でずっと祖母の脈を取り続けたそうです。
結局祖母は、意識が戻ることなく、入院後1週間後に亡くなりました。
そして、祖母が亡くなった日は、ちょうど母の誕生日でした。
今からおよそ10年前、義理の叔父(母の姉の夫)の葬式の場で、母がくも膜下出血で倒れました。
病院に搬送され、集中治療室に入れられた母は、一時は意識を取り戻しましたが、その後脳の浮腫がひどくなり、頭蓋内圧を下げるために頭蓋骨の切開を受けましたが、結局、入院後およそ一か月で亡くなりました。
母が亡くなった日は、まるで図ったかのように、兄の誕生日でした。
そして今年1月末。
母を亡くした後、10年間一人暮らしをしていた父が、肺炎で入院しました。
誤嚥性肺炎で、多少病状が好転しても、食事を摂ると再発するという繰り返しでした。
意識レベルもだんだんと低下して行き、眠っている時間がどんどん増えて行きました。
やがて、1日の大半を眠って過ごすようになった2月下旬、担当の医師から、そろそろ覚悟しておくようにと言われました。
そして、2月末には、医師から危険な状態にあるという連絡がありました。
私の誕生日は3月初旬です。
過去の事例から判断して、父は私の誕生日に亡くなるのだろうと、ほぼ確信していました。
しかし、父は粘ってくれました。
私の誕生日をなんとか持ちこたえ、父が亡くなったのは、私の誕生日の翌日でした。
作品名:本当にあったゾッとする話4 -連鎖する偶然- 作家名:sirius2014