【無幻真天楼第二部・第二回】星が丘
「でさー俺思うんよな」
「お前最近くだらんこと頻繁に思ってるよな」
後ろ向きで歩きながら南が話すと坂田が突っ込む
「あ俺ちょいスーパーよりてぇ」
その話を割ったのは中島
「スーパー?」
「晩飯」
「晩飯ぃ?」
道路を渡って反対側に見えた正月スーパーの自動ドアをくぐった中島が買い物かごを手に取った
「蜜柑さんいねぇの?」
「ミカ姉は修学旅行リン姉は友達ん家いくんだとさ。母さんは夜勤」
「あー理解理解」
中島の後ろを金魚のフンのようについて歩く京助たち
「今日の献立なんですか奥さん」
「まぁ…適当に」
中島が安売りの豆腐をかごに入れる
「コンビニで買えばいいじゃん弁当でもさー」
「まぁ…そうなんだけどさ」
坂田がきのこの山を手に取りながらひき肉をかごにいれてる中島に言った
「お前がきのこを買うなら俺はたけのこを買う」
「俺もどっちかっつーとたけのこだなぁ」
京助がたけのこの里を取ると南が賛同する
「中島は?」
「あー…俺もたけのこ」
「なんだきさまら…きのこの良さがわからんとか」
坂田がふてくされながらレジにきのこの山を置いた
「でも俺はコアラのマーチが好きかな」
「…中島くんの意外と可愛らしい趣向」
中島がレジ近くにおいてあったコアラのマーチをかごに入れレジに置いた
作品名:【無幻真天楼第二部・第二回】星が丘 作家名:島原あゆむ