てんしとあくま
なんてこった。引っ叩いても起きそうにない。じゃあ、俺は結局、この天使と契約するしかないってのかよ。
「ふっふっふ。どうやら勝負あったようですね」
「うん、別にお前の戦略勝ちでもなんでもなく、熊が勝手に寝ただけだけどな。……っていうか、畜生ーーー!! 入信したくねえーーー!! こんなウザい天使と契約した上に、キモい踊りをしなきゃならないなら死んだほうがマシだーーー!!!」
「ちょっ、そこまで言いますか! そんなに言うなら、こっちだって……、こっちだって……、やけ食いしてやるーーー!!」
「って、自分の頭のわっか食うなーーー!!」
「あ、大丈夫です。これ、ポン・デ・リングですから」
「なんでそんなもの頭につけてるんだーーー!!? もういいかげんにしやがれ!!! ふざけやがってーーー!!!!! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」
俺は叫ぶ。叫ぶ叫ぶ叫ぶッ!! その叫びが最高潮に達した瞬間、大地は揺れ動き、風は吹き荒れ、時空に乱れが生じるッ!!! そして、俺の腹からッ! 口からッ!! 発せられた衝撃波は痛車をいとも簡単に吹き飛ばすッ!!!!! 助かったッ! 俺と男の子は助かったッ!! 俺って最強ォーーーーー!!!!!
「って、あなたが一番無茶苦茶やってるじゃないですかーーーーーー!!?」
なんでもない町に天使の叫びが木霊する。夕暮れは近い。