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「レイコの青春」 40~最終回

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 「いいな、同級生って・・・
 なんでそんなに、他人のことで夢中になれるんだろう。
 私も欲しい、そんな仲間が。」


 「本当に手のかかる子だねぇ、この子は。
 どこに目玉をつけてんのさ。
 ちゃんと私たちと言う、心強いお姉さんがちゃんと揃っているでしょう。
 それとも・・・なにかい?
 女よりも、男が欲しくなったとでも言うのかな。」


 「そうだ!
 私やっぱり、
 美千子さんに、弟子入りをしたいと思います。
 約束をしてくれましたよね、あの時に。
 いい男を見つけるために、すべてのテクニックを、
 きっちり伝授してくれるって・・・。
 私だって、もうそろそろお年頃だもの、
 男友達の、一人や、二人は
 必要ですよねぇ!」


 「あっきれた!。
 ボーイフレンドも居ないんだ、陽子ったら。
 ・・・教えてあげてもいいけど、
 あたしの場合は、男をだますための手口ばっかりだよ。
 それでも良いと言うのなら、
 いくらでも、たっぷりと教えてあげます。」



 「で・・・、あげ句の果てには、

 二度も男に、騙される羽目になるけどね。」

 運転中の幸子が、ポツリとつぶやきます。
いち早く聞きとめたレイコが、思わずクスリと笑いました。


 「・・・さて諸君。
 そんなことよりも、
 目指す市役所が、みなさんの目の前に見えてまいりました。
 これからは、認可されたなでしこ保育園が、
 なにかにつけて、お世話になる、きわめて大切なお役所です。
 それでは、本日は、
 4人揃って、記念すべき初の表敬訪問と、まいりましょうか。
 みなさん・・・・心の準備などはよろしいでしょうか。」


 「はい。
 記念すべき、第一ラウンド開始のゴングです。
 胸を張ってまいりましょう!
 さて、どうするんだっけ、こんなときは?。
 一番弟子の陽子くん。」



 「はい。
 胸を反らして・・・乳首は、きっちりと天にまで向けます!。」


 「よろしい。
 さァ行こう、レイコ。
 ここから先が、あたしたちの新しい戦場だ。」


 4人が、駐車場で横一列に居並びました。
全員が腰に手を当てて、そびえたつ庁舎をまぶしそうに見上げます。
それはレイコが25歳を迎える、早い春先のことで、
ここから長年にわたって、レイコの本格的な保母の道がはじまります。

 自分の夢を追って、
再び、当初のスタートラインに戻ったレイコは、
再会を果たした、かけがえのない同級生たちと共に、終生の働く場として
認可のなでしこ保育園で、正式な保母の一人になります。

 しかし、その頃
何も知らずに呼び戻される予定の男は、京都の祇園町で、
舞妓修業真っ最中の「おちょぼ」と、なにやら怪しい雲行きに
なりかかっていました。

 (続)アイラブ桐生・「レイコの青春」


        完


 ・後記・

 落合順平です。

 ご訪問とご愛読、誠にありがとうございます。
アイラブ桐生・3部作の第2部としての本編、「レイコの青春」の
掲載を、ようやく終了することができました。
 
 ひきつづいて、第三部の「舞台裏の仲間たち」を掲載します。
こちらは日本経済がバブルへ向かう1980年代の初頭を背景に、
20代から30代へさしかかる大人たちの心情とふれあいを描きました。

 アイラブ桐生シリーズの完結編では、昔に大好きだった演劇の話題が随所に出てきます。
このあたりもひとつの読みどころと、作者は勝手に思っています(笑)
アイラブ桐生・レイコの青春に次ぐ、完結編も、
どうぞよろしくお願いをします。