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「レイコの青春」 40~最終回

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 美千子が、レイコの陰に隠れて
うつむいてしまいました。


 「この子も仲町では、気がきいていて、
 よく周りの女の子たちの世話を焼いてくれている
 若いお母さんのひとりです。
 気が良すぎるせいで、2度も悪い男に騙されたようですが、
 根は明るくて、実に優しいとてもいい娘です。
 ところが、自分の娘を突然に失ったうえ、
 頼みとしてきた園長先生までも失ってしまったために、
 その頃のこの娘は、とことんまで心が傷ついていたようです。
 しかし、私にはどうすることもできません。
 泣いているのをなだめるだけで、実際には、この娘に
 何もしてあげられませんでした。
 この娘を変えたのは、やはり皆さんの力です。
 この娘も、みなさんも、やはり誇り高き桐生の女でしたねぇ。
 どうにもならないものを改善するために、
 自分たちの力でなんとかしようとして常に行動をしてきた、
 機織り時代から続いてきた、女たちの底力ぶりを、
 あなたたちもまた、今回のことで、それを実に見事に継承をしました。
 女は股に力を入れて、結果を生み出すものです。
 あら・・・まぁ、
 まだ、独身の方もいらっしゃるというのに
 またもや、例え方が、少々不適切なようですね・・・。
 でも、私が言いたかったのは、その力です。
 見事に立ちあがったのは、この娘自身の努力です。
 そうさせたのもまた、皆さんのチームワークの力です。
 わたしは少しだけ、へそくりを提供しただけで、実は、やっぱり
 ・・・何もしてはいないのです。
 やはり・・・
 やっぱり、お花見には、呼んでもらえないようですね。」



 「・・・いいえ、とんでもありません。
 私たちの、いちばん大切な主賓として、まっさきに、お呼びいたします!」

 そう言うなり、背後から陽子が
八千代母さんに思い切り、飛びついてしまいました。