「レイコの青春」 37~39
(続)アイラブ桐生・「レイコの青春」(37)
認可保育園への道(4)美千子の本音
しばらく沈黙を続けた後、
自分自身を見つめて、次に言うべき言葉を探していた美千子が、
ゆっくりとレイコへ視線を戻してきました。
「夜間で、しかも深夜まで乳幼児を預かってくれる
保育園を作るなんて、口で言うのは簡単だった。
だけど実際の運営となると、初めてのことばかりで気苦労の量は
想像を絶するほどたくさんあったはずなのに、
園長先生は、一度として泣き事なんかは言わなかった。
無理なお願いばかりを繰り返していたのに、
いつも快く応じてくれた上に、私の愚痴にまで、
辛抱強く付き合ってくれたのよ。」
作品名:「レイコの青春」 37~39 作家名:落合順平