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でんでろ3
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ドラキュラ・ダイス

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5.まるみの部屋


 ここで、舞台は、まるみの部屋へと移る。
 そこそこ片付けられた女の子らしい部屋。
 彼女は、今、部屋の中央のテーブルに置いたノートパソコンでチャットしていた。背中は、窓際に置いたベッドに預けている。広い部屋とは言えない。
 まるみは、今回は、普通の人間役だった。

キューブ>じゃあ、始めよう。
まるみ>全員に同じ質問するのってありですよね。
トライ>もちろんありだよ。
まるみ>じゃあ、「あなたは、ドラキュラですか?」
糖ラス>ズベッ! あのね、まるみちゃん。考えてごらん。人間は本当のことを言うから、その質問になんて答える?
まるみ>「ちがいます」
糖ラス>そして、ドラキュラは嘘をこたえなければいけないから……。
まるみ>「ちがいます」って答えます。
糖ラス>だから、意味ないよ。
まるみ>そっか。……じゃあ、「今の天気はどうですか?」なんてどうですか?
腑腐婦>いいんじゃない。みんな住んでるところはバラバラだろうし……。私のところは晴れてます。
へいほー>この部屋、窓が無いんだよね。
紺>天気晴朗なれど波高し。
糖ラス>ちょっと曇ってる。
キューブ>あいにくの雨。
トライ>同じく。
まるみ>晴れているけど風が強いです。
腑腐婦>じゃあ、「今、聞こえた音」
紺>なんどすか? それ?
へいほー>あっ、なんか、急に、天井がミシミシいい出したんだけど。

そのとき、まるみの部屋の天井も、ミシミシと音をたてだした。

糖ラス>部屋の外を宅配ピザのバイクが通った。

まるみの部屋の外でもバイクの音がし、慌てて窓の外を見ると宅配ピザのバイクだった。

腑腐婦>赤ん坊の泣き声がうるさいわね。

まるみの部屋の前をベビーカーが通りかかり、赤ん坊が火がついたように泣いていた。

紺>あっ、なんか。大きな交通事故があったみたいな音がした。

まるみの部屋にも、切り裂くようなブレーキ音とすさまじい衝突音が聞こえてきた。そして、そんな事故を、目の当りにしたら、より一層激しく泣き叫びそうな赤ん坊の声が、ピタリとやんでしまったのが怖くて事故現場をのぞこうという気になれなかった。


まるみ>音は、もう、やめてください。
キューブ>どうしたの?
まるみ>いえ、偶然だとは思うんですが……。
トライ>じゃあ、「最近あった怖い体験」
へいほー>部屋の蛍光灯がいきなり割れる。

唐突に、まるみの部屋の蛍光灯が、破裂した。

腑腐婦>なぜか、ぬいぐるみが爆発。

ベットの上のまるみのお気に入りのぬいぐるみが、ゆっくり宙に浮いたかと思うと、破裂した。

キューブ>家具が倒れてきて、あわや下敷きに。

揺れてもいないのに、まるみの部屋の唯一の大きな家具が、鼻先をかすめて倒れていった。

まるみ>もう、ゆるして。あなたたち一体何なの?
キューブ>それは、最初に言ってある。ゲームが始まったら聞いても無駄だけどね。
作品名:ドラキュラ・ダイス 作家名:でんでろ3