「セックスアンドザシックスティーズ」 第二十二話
「やっぱり映子さんのように割り切って恋をするしかときめきを持続させることが出来ないのよね、夫が居る身では。
帰る場所をしっかりと確保している部分が暴走を止めているって思う。独身だときっと走り過ぎて自分を見失ってしまいそうだからね。
物事には自分の物差しを持つ必要があるのよね。私は美紗子さんに言われたように夫婦のことを今一度しっかりと考えて結論を出さないといけないって思うわ」
「典子さん、そうよ。話し合ってみるべきよ。応援しているから・・・」映子が言った。
「そう私も応援する!」美紗子が言った。
「私も同じよ」恵子もそういった。
美紗子の初体験の話を面白おかしく聞き出そうと言い出した典子は自分のことでこんな展開になるとは夢にも思っていなかった。
恵子と美紗子が寝息を立てている姿を横目に天井をじっと見つめる時間が続いていた。
作品名:「セックスアンドザシックスティーズ」 第二十二話 作家名:てっしゅう