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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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ツイン’ズ

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 ゴォォォン!! 機体が大きく揺れた。明らかに攻撃を受けた。だからどうしたってんだ、こっちには○○学園狂師四天王、学校最強の可学狂師が付いてんだ。
《直樹青いボタンを押して!》
「イエッサー」
 青いボタンをポチっと押すと、戦闘機のサイドから何かがシュキィィィンと飛び出した。
《今はオート照準になってるけど、もちろんマニュアルで落すわよねぇん? 手前のハンドルを操作して撃つのよぉん》
「ゲーセンで磨いた腕を見せますよ!!」
 異星人の戦闘機は全部で5機。完全に周りを囲まれている。だが楽勝だ!
 敵戦闘機をギリギリまで引き付ける。敵のビームが発射されるが玉藻先生は避けない。
《ちょっとだけ揺れるわよぉん》
 ゴォォォン!! 機体は大きく揺れるが損傷はない。強行突破だ。
 俺はハンドルを強く握り締め照準を敵戦闘機に合わせる。もらった!!
「見えるぞ、私のも敵が見える!!」
 親指でハンドルに付けられたボタンを押した。
 ビームが敵の戦闘機を爆撃し、無音の世界で大爆発が起こり、その爆発の中をステルス改が飛び抜ける。
 爆発を抜けた所で敵の戦闘機が待ち受けていた。
「はかったなシャ○!」
《横を抜けるわよぉん》
 ステルス改は敵戦闘機2機の横を抜け、抜けたっていうか抜け切れずに当たりながら後ろに回り、そのまま下から上に旋廻して敵戦闘機の腹に回った。
「撃つべし撃つべし撃つべし!!」
 ビームで敵戦闘機2機を撃墜。残るは2機だ。
《直樹、前方から巨大戦艦が1隻くるわよぉん》
 前方に現れた巨大戦艦。あんなのスター○ォーズとかで見たことあるぞ!
 2機の敵戦闘機は巨大戦艦へと逃げ帰っていく。だが、ここで逃がすか!!
「先生、秘密兵器とかはあるんですか!》
《赤いボタンを押すとおもしろい事が起こるわよぉん》
 赤いボタンを力強く押すと巨大ビーム砲とでもいうべきものが発射された。すっげぇ、この戦闘機のどこからこんなビームが出たんだ?
 波動砲っていうか、ソーラレイっていうか、とにかく発射されたビーム砲は巨大戦艦に当たった。
 空気の無い宇宙で無音の大爆発をする巨大戦艦。白い世界が辺りを包み込み思わず目をつぶる。BGMは『G線上のアリア』ってとこだな。
 儚いな……なんで俺はこんなところで宇宙人と戦ってんだ?
 爆発は治まることを知らずどんどん広がっていく。
「先生ヤバイんじゃないですか?》
《やっぱりこのビームは連鎖を重ねて巨大な爆発を巻き起こすみたいね。いいレポートがかけそうだわぁん。全速力で逃げるわよぉん》
 爆発は止まることを知らず、この日、銀河の一つが宇宙から消滅した。世界では人々の知らないところですっごいことが起こっているのだ……。

 数分後、無事帰宅した俺はステルス改で俺んちの自宅の屋根に着陸した。だいぶ無駄なことをしたような気がする。なんで宇宙人と戦わなきゃいけなかったんだ?
 自宅では俺が出て行った時と何も変わってなかった。俺’は縛られてすねてるし、母さんと妹は星川と楽しくおしゃべりしてるし、でも俺と玉藻先生が部屋に入った瞬間空気はがらっと変わる。
「あらん、ナオキちゃん。縛られちゃって、わたしがお仕置きするまでもないかしらん?」
「そのようすだと、元に戻ったようだな妖狐先生」
 緊迫した空気が二人の間だけに流れる。決してこの家では他には伝染しない。俺の母親は場の空気を無視する女だ。
「あらまあ、玉藻先生。直樹がいつもお世話になっております。そうだ玉藻先生もうちで夕飯どうですか?」
「あらん、それはありがたいわぁん。今日の夕飯何にしようか迷ってたとこなのよねぇん」
 おかしくないかこの展開。今までのことに比べれば普通か……。
「お兄ちゃんお帰り〜、今日の夕食はみんなでお鍋だって」
 きゃはきゃはって感じで俺に回し蹴りをかます妹の遊羅。家族のスキンシップだ。
 回し蹴りを受け止めデコピンで遊羅に応戦する。
 デコピンを喰らった遊羅は必要以上にぶっ飛び、フローリングの床を滑る。
「遊羅吹っ飛び過ぎ。しかもパンツ丸見えだぞ。白だな」
「えっ、うそ?」
 遊羅は自分で確認した。
「ホントだ白だ」
 そこかよっ! 自分のパンツの色ぐらい覚えとけ。
 そうだ、それよりも具だ、鍋の具は何だ? じゃなかった。夕食よりもここに来た当初の目的を忘れてはいませんか?
「あのぉ〜玉藻先生? 俺’に飲ませたクスリ……」
「あらん、すっかり忘れてたわぁん」
 そう言って玉藻先生は白衣手を突っ込むと、
「あれでもない、これでもない」
 と言いながらわけのわからないものを出しまくって部屋を埋め尽くすと、最後にクスリの入った子瓶を取り出した。おまえはドラ○もんかっ!!
「このクスリを飲めば恐らく、あれがああなって、それがそーなって、胃の中でペプシンとおもしろい化学反応をしてくれて消化吸収、血中を巡り巡って……」
「先生、わけわかんないせつめいはいいですから俺’に早く飲ませちゃってください」
「そうねぇん。実験を始めましょうか」
 玉藻先生はクスリの入った子瓶のフタを開けると俺’に圧倒的な威圧感と恐怖感で差し迫った。
「妖狐先生、ちょっと待った。話せばわかる、そんなクスリ飲めるか、飲むかっ……うぐっ」
 瓶ごと口に突っ込まれた俺’の姿は無残だ。惨い、惨い……微妙な玉藻先生の復讐か?
 俺’ののど元がゴクンと動いた。THE ENDだな。
 クスリの瓶がカポッと口から抜かれると同時に俺’はバタンとフローリングの床に倒れた。死んだか?