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下仁田ネギとパスタの素敵な関係♪

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「どうじゃな? そなたが言うパスタとやらにこれを使ってみては」
「このネギはかなり太いみたいだけど、どこのネギなんですかぁ?」
「これはのう、我が領地で摂れる下仁田のネギじゃ。美味であろう?」
 そう言うと殿はにやりと笑った。
「ええ、そうですね! これを使ったら……」
 清乃の頭の中にはこのネギを使ったパスタのイメージが広がっていった。
「そうだ! このネギと味噌で新しい味ができるかもしれない!」
 そう叫んだ清乃には、既にそのパスタの出来上がった映像が浮かんでいた。
「良かったのう」
 殿が嬉しそうに微笑んでいる。
「早速帰って作ってみなくっちゃ!」
 そこで清乃は気付いた。
「あぁー、ダメだ。どうやってここから帰ればいいんだか」
「そうか。帰り方が分からぬのか。では致し方ない。ここで、わしのそばで一生暮らすが良いぞ。あっはっはっ」
「えぇー、それだけはご勘弁を~」
 思わず頭を抱えたその瞬間、またまた清乃の目の前が大きく揺らいだ。
「ひぇ~ 地震だぁ~」
 次の瞬間、清乃は自分の部屋に戻っていた。
「あれっ、あれあれっ? どういうことなんだろう。今のは夢だったのかしら」
 思わず頬をつねってみた。
「痛っ!」痛みがあることに、清乃は思わず首を傾げた。
「あっ、それよりパスタだ、パスタ。ネギと味噌を使ったパスタだ!」
 そう呟くと、すぐさまキッチンへと走っていった。

 努力の甲斐あってか、その年のキングオブパスタには、見事に清乃が考案した「ネギと味噌の時代風パスタ」が最優秀賞に選ばれた。
「これもひとえにあの殿のお陰か。それにしてもどうして……」
 清乃は表彰台の上で、その想いがずっと交錯していたのだった。


補足・・・高崎藩の初代藩主は井伊直政、二代目藩主は酒井家次であったとな…。