【無幻真天楼 第二部・第一回・弐】しっぽの気持ち
縁側に毛の塊
その正体はコマイヌと阿分
くあああっとあくびをした分が庭に降りた
「あれ? 起きたんだっちゃ?」
箒を持った緊那羅が庭に入ってきて分に声をかけた
「暑いある」
「そりゃ…; あんなふうに固まってたら暑いと思うっちゃ;」
ちらっと縁側を見れば夏にはちょっと見たくない毛の塊
「お前緊那羅いうあるよな?」
「そうだっちゃ」
分が緊那羅の肩に上った
「お前からも主の力かんじるある」
「あ…うん私にも竜の力あるみたいなんだっちゃ。だから前髪の色が違うって阿修羅が言ってたっちゃ」
分を肩に乗せたまま緊那羅が箒を物置にしまう
「あいやー…だからあるか」
「だからあるっちゃ」
緊那羅が笑いながらサンダルを脱いで縁側に上がった
京助と悠助は学校
迦楼羅たち【天】の面々は戻った
「…慧光?」
「あ…緊那羅…」
戻れない【空】の面々の一人である慧光が緊那羅の声に振り返る
「こいつ空ある」
「そうだっちゃでも…」
威嚇ポーズをとった分
びくっと怯えた慧光の目に涙が浮かんだ
「今はもう敵じゃないんだっちゃ」
「…本当あるか?」
分が聞くと緊那羅と慧光が頷く
「そういえば我…制多迦に頭撫でられたある…」
「わ…私…っ; 何もしないナリっ」
慧光の声が裏返る
「おいちゃんも何もしない。おいで」
いつの間にか慧光の隣にいた烏倶婆迦が分に向かって手を伸ばした
「分!!」
がぶっ
その正体はコマイヌと阿分
くあああっとあくびをした分が庭に降りた
「あれ? 起きたんだっちゃ?」
箒を持った緊那羅が庭に入ってきて分に声をかけた
「暑いある」
「そりゃ…; あんなふうに固まってたら暑いと思うっちゃ;」
ちらっと縁側を見れば夏にはちょっと見たくない毛の塊
「お前緊那羅いうあるよな?」
「そうだっちゃ」
分が緊那羅の肩に上った
「お前からも主の力かんじるある」
「あ…うん私にも竜の力あるみたいなんだっちゃ。だから前髪の色が違うって阿修羅が言ってたっちゃ」
分を肩に乗せたまま緊那羅が箒を物置にしまう
「あいやー…だからあるか」
「だからあるっちゃ」
緊那羅が笑いながらサンダルを脱いで縁側に上がった
京助と悠助は学校
迦楼羅たち【天】の面々は戻った
「…慧光?」
「あ…緊那羅…」
戻れない【空】の面々の一人である慧光が緊那羅の声に振り返る
「こいつ空ある」
「そうだっちゃでも…」
威嚇ポーズをとった分
びくっと怯えた慧光の目に涙が浮かんだ
「今はもう敵じゃないんだっちゃ」
「…本当あるか?」
分が聞くと緊那羅と慧光が頷く
「そういえば我…制多迦に頭撫でられたある…」
「わ…私…っ; 何もしないナリっ」
慧光の声が裏返る
「おいちゃんも何もしない。おいで」
いつの間にか慧光の隣にいた烏倶婆迦が分に向かって手を伸ばした
「分!!」
がぶっ
作品名:【無幻真天楼 第二部・第一回・弐】しっぽの気持ち 作家名:島原あゆむ