「秘事は冬の真夜中」~天使の羽のヴァニス / 野原の書より
ある日の事。
その日は珍しく大雪が降り、山の麓近くの森までその妖精たちの子らが遊びに降りて来ました。
久しぶりの再会を喜ぶように、彼らは雪の積もる樹氷を舞い戯れます。
やがて、その中のひとりの掛け声に雪の像を造り始めます。
かつて、この森に暮らしていた白山猫や梟、リスや白ウサギ、大きなものではトナカイまで。
彼らは、いつかこの森に、それらの動物達が帰ってくる事を願い、幾つも幾つも雪の像を造るのでした。
作品名:「秘事は冬の真夜中」~天使の羽のヴァニス / 野原の書より 作家名:ヴェリール