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ヴェリール
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novelistID. 39054
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「秘事は冬の真夜中」~天使の羽のヴァニス / 野原の書より

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そんな驚くアイス・キュロスにヴァニスが右の掌を開き見せます。

そこには、柘榴の森で拾ってきた、柘榴の木の小枝が二本ありました。



ヴァニスは、首に飾った天使の羽のペンダントに左手を翳すと、短く呪文を唱えます。

すると、手に持った二本の小枝が魔法に、白と黒、二つで対の子猫の人形に姿を変えるのでした。



だから、今でもヴァニスの部屋には、その窓辺に仲良く

白と黒、二つで対の子猫の置き物が月を見上げるように並んでいます。


そうして、毎年、冬の真夜中に耳を澄ますと、小さな歌声が聞こえてくるのでした。