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ヴェリール
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novelistID. 39054
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「秘事は冬の真夜中」~天使の羽のヴァニス / 野原の書より

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「どうしたのケリダ、元気ないね・・・」


「ごめんなさい、ディディカ。実は、今日、貴方にお別れを言わなきゃいけないの・・・」


「えっ、急に、どうしたの?」


「急じゃないわ、前々から分かっていたの。いつか私は溶けて無くなってしまうって。ほんとは、もっと早くに溶けてしまうはずだった。でも・・・」


「でも?」


「ディディカ、貴方が昼間、私が溶けてしまわないように太陽の木漏れ日を遮っていてくれたの分かってた。食事もとらずに私の事ばかりを面倒見てくれていたのも。でも、これ以上は・・・。それに・・・」


「それに?」


「もう昼間だけじゃなくて、夜も氷のカラダを維持できなくなってるの。もうすぐ、春が訪れる。そしたら、私は溶けて無くなってしまう」


「そんな・・・」