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NOT EQUAL [0]【オリジナル】

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[3]

 車は駅から一番近い救急病院に入ったところでドアを開けた。僕たちは外にある救急の入り口へと移動する。

「うん、あそこだな」
 ドアが見えたところで川森君が手招きしたので近寄ると、僕は横に回転した。
「えっと…もしかして投げる…とか?」
 そして肩に担がれた。僕は恐る恐るたずねてみた。
「もちろん!」
「やっぱり!」
「大丈夫です、わたしが誘導しますから」
「アザミさん、それはフォローになってないよ!」
「ほら、さっさと体に戻れっ!」
 
 空を切る音。僕はロケットのように宙を舞った。
 ドアをすり抜け、人を、壁をすり抜け…よく手術シーンで見る青緑の服が見えた気がした。





――2週間後

(…薊。ついてきたのか)
(…あ、やっぱりお気付きでしたか)
(分かるに決まってんだろ…。まあ正直、おれも気になるしな…)

「…おはよう」
「……!」
「…よう、落下物から人をかばって盛大にすっ転んだお人好し。その帽子は日除けか?」
「うん、まあ、頭皮の保護って意味ではそうだね。それほど大したことじゃなくて良かったよ」
「どうせなら夏休み明けまで休んじまえよ」
「いやあ、テストを受けないと後々面倒だし、進路希望も出さなきゃいけないしね」
「どっか受けんのか?」
「そうしようかと思ってたけど、やめることにしたよ。勉強したいからね、君たちと」
「…ふふふ、じゃあ一応言っとくか。これからもよろしくな」
「うん、よろしく」



――これが、僕と彼らの始まり。


 おしまい