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せき あゆみ
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空にいる、君へ
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「どうしていつも星を見るとき、ぼうっとしてるの?」
望遠鏡から顔をはなして、息子が聞いた。
「お父さんはね。友だちと話をしているんだ」
「友だち?」
「ああ、あの白鳥に乗って、星から星へと手紙を運んでいるんだ」
「うっそー」
「ほんとうだよ。今のおまえと同じ、四年生の時に知り合ったんだ。あ、ほら、あそこにいるだろ」
「どこどこ、うそだい。見えないよ」
息子は背伸びして、目をまん丸くして空を見ている。これから、ぼくは話してやろうと思うんだ。
空にいる、きみのことを――
作品名:
空にいる、君へ
作家名:
せき あゆみ