「セックスアンドザシックスティーズ」 第十九話
「なるほどね・・・それで、もうしたんでしょ?」
「何をですか?」
「言わせるの?」
「恥ずかしくてここでは言えません」
「ふ~ん、恥ずかしいような事したのね。ひょっとして初めてだったんじゃなかったの、美紗子さんって?」
「そうです」
「初体験したんだ!なんか学生時代の話みたい」
「茶化さないでくださいよ。人それぞれなんですから」
「あなたギネス物よ、遅い初体験年齢として」
「そんな事ないですよ!60歳ぐらいで・・・」
「探してもいないよ。何言ってるの。まあいいけど、詳しく話しなさいよ」
「誰か聞いているじゃないですか?向こうについてからにしてください」
「仕方無いわね。今夜の楽しみに取っておきましょう」
「楽しみなんですか?私の話が?」
「当たり前じゃないの!60歳の初体験話よ。そう簡単に聞けることじゃないから」
「もう!意地悪なんですね・・・典子さんは」
「そうよ、今解ったの?」
「知りません!」
列車はまもなく新大阪に到着した。東海道線に乗り換えて大阪駅に約束どおり12時に着いた。映子も恵子もすでに来ていた。
作品名:「セックスアンドザシックスティーズ」 第十九話 作家名:てっしゅう