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黒猫ぺろり
黒猫ぺろり
novelistID. 38665
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不条理劇場 第一部 はじまりの風景

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「それは良かったね、でも母さん、これは一体どういう事なの」
その時、角刈りの声が聞こえた。どうやら生きていたらしい。
「不条 理、貴様を立てこもり犯として、逮捕する。おい、坂田、連れて行け」
オレは、必死に叫んだ「立てこもり?オレが立てこもり犯?訳が分からない」

その時、母も叫んだ「刑事さん、あたしも訳が分からないわ」
角刈りが言った「ちょっと待って下さいよ、通報したのはお母さんでしょ」
「いいえ、あたしは息子が引きこもっているから何とかして欲しいって
相談しただけです」「えっ?引きこもりなの、立てこもりじゃないの?」

角刈りは、どうしたらいいか分からない様な表情をしながらこう言った
「ちょっと、お母さん、困りますよ。いくら子供が心配だからと言って、
そんな事を110番で通報しないで下さいよぉ、我々も本気になっちゃうでしょ、
それに息子さんは会社員で引きこもりじゃないでしょ」

母は涙を浮かべながら言った
「天気の良い休日に外に出ないで部屋にこもっている息子を
心配する母親の気持ちがあなた達には分からないんですか」
猿顔は言った「分かりませんよぉ。分かりませんけどぉ、
せっかく逮捕されたんだし、不条さん、引きこもり犯って事で罪を償おうよ」

オレは、パトカーに乗せられた。さっきまで泣いていた母は、
呑気に「理ちゃん、朝までには帰ってくるのよ」など言っている。
隣の猿顔は「大丈夫、別荘に行くだけだから、
まぁ、ちょっとしたバカンスみたいな物だと思ってさぁ」と、ほざいている。

これがすべての始まりだった。