friends
「自分の存在を過小評価しないでください。あなたたちの起こしたなんでもない言動が、誰かの人生を変えることもあります。神様が人類皆をこの地球に集めたのは、僕たちが人々とうまくやっていけるように、助け合えるようにしたかったからだと考えています。いつだって友達に、自分がどれほど強く思っているかを伝えてほしい。そう、思っています」
やはり原稿はなかったのだろう、曖昧な言葉でスピーチは締めくくられたが、僕の目からは涙が溢れていた。周りがみんな拍手をしているのに気がついて、僕も慌てて拍手をした。その様子を丸々カイルに見られていたようで、彼はクスクスと笑っていた。なんだか悔しくなったけれど、それよりも嬉しさが勝っていた。卒業式よ、早く終われ。終わったら礼よりも先に、カイルの元へ走っていこうと思った。