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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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雨の日が好き

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既に30年前のことである。ぼくは雨が降る季節になると、時々彼女を思い出す。
彼女が言った言葉
「雨が降ったらここに来てくれますか」
その言葉を思い出す。僕は最初に雨が降った日にその場所にはいかなかった。
行こうとも思わなかった。
なぜなら彼女があまりにもかわいらしく見えたからであった。
そこに行けば恋をしてしまいそうであった。
ぼくはまだ大学生であった。勉強が大切であると考えていた。
庭のくちなしの花が白くて可愛く見える。
「あなたお茶が入りましたよ」
すっかり彼女の顔は忘れてしまったが、彼女の言葉は忘れる事は出来なかった。
「ごめん。由美」
ぼくは今の妻に心の中で謝りながら茶碗を手にした。
作品名:雨の日が好き 作家名:吉葉ひろし