更新日時:2016-01-29 19:58:26
投稿日時:2012-06-10 16:24:08
昨日だって遠い昔よ
著者の作品紹介
マリはふと三年前の自分を思い出した。野本と出会った頃である。その頃はまだ穢れを知らない少女だった。野本に出会って大きく変わった。金のために媚びを売ることや自分の意思に反することも何のためらいもなくできるようになった。それが良かったことなのかどうか考えた。結論が出るとは思っていなかったが……。
「もう止しましょう。私にとって遠い過去の人だから」
「遠い過去? まだ一年も経っていないよ」
「昨日だって遠い昔よ。確か、そんな歌があったわね」とマリは大きな口を開けて笑った。
「もう止しましょう。私にとって遠い過去の人だから」
「遠い過去? まだ一年も経っていないよ」
「昨日だって遠い昔よ。確か、そんな歌があったわね」とマリは大きな口を開けて笑った。