Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1)
「……」
真剣な目つきで、ネオは睨み返してきたのだ。『あんたのこと、怖くないから』と、唯一の味方になろうとしている夕日のように強く輝いた瞳で。自分のことをすべて受け入れた上で。
未知流はその瞳に逆に圧倒された。
自分の味方になるっていうの? そんな希望を持ってもいいの?
未知流は一瞬そう思う。が。
――そんなことはない。彼女があたしを洗脳しようとしているだけだ。所詮、うわべだけの態度だ。きっと、フレンドリーになった瞬間に皮を剥いで、あたしを退学へ追い込もうとしているんだ。
すぐ我に返る。
未知流は前髪で顔が隠れるように俯き、
「……これ以上、人と付き合うのはうんざりなんだ……あたしに関わらないでくれ」
未知流はすぐさま机に置いてある鞄を右肩にかけ、机の間を通って教卓側のドアから廊下へと出て行った。
先ほどの怒鳴り声の影響なのか、彼女が通るところに人はなし。みんな左右に避けてお通しする。抗うことのできない、エンプレス・ロードだ。
その道を未知流は逃げるように進んでいった。
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1) 作家名:永山あゆむ