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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十四回・弐】ひまわり

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「清浄…」
「柴田っ…柴田おいっ!!」
叫ぶ坂田を押し退けて膝をついた乾闥婆が清浄の胸の上にぐったりとなったコマイヌをのせ手を翳す
「あとは僕が引き受けます」
にっこりと笑う乾闥婆に慧光の目が潤み鼻水が流れた
坂田も眼鏡を外してぐいっと目を擦る
「…乾闥婆…」
「今僕にできること…はこれくらいですから」
翳した手から光が生まれ清浄とコマイヌを包み辺りに優しい空気が流れた
「わ…私も…」
「あなたは向こうにいってください? あなたの大切な人も大変になっていると思いますから」
「…大切な…っ!!制多迦様矜羯羅様!!」
はっとして滑りながら駆け出した慧光
「乾闥婆…柴田っは…柴田…っ」
「何いっているのかわかりませんよしっかりしてください」
「んなごといっだっでなぁっ!!」
冷静に返す乾闥婆に坂田が涙鼻水垂れ流したままで怒鳴るとその坂田の頭にぽんっと手が置かれた
「しば…」
「ははは…若…凄い顔になってます…よ」
「はははじゃないですよあなたも…まったく…」
血だらけ泥だらけの手で坂田の頭を撫でる柴田を見て乾闥婆が溜め息をつく
「迦楼羅も…何してるんです?」
「いや…あの…雨がだ、な…」
乾闥婆の頭の上で着物を広げる迦楼羅に乾闥婆が聞く
「雨が…かからないようにと…思ってだなその…」「…ありがとうございます」
振り向かずに言った乾闥婆
「もう濡れまくりで意味ねぇと思うんだけど俺」
「うっ」
坂田が突っ込むと迦楼羅が固まった