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てっしゅう
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「セックスアンドザシックスティーズ」 第十七話

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「独身だとそれが辛いよな。結婚は考えた事が無かったのか?」

「そうじゃないけど、縁がなかっただけ。気が付いたら30過ぎて余計に慎重になっていた自分がいたの。多分出来ないって思うようになっていたし」

「吉井は美人なんだからとっくに結婚したと思っていたよ。そうだったんだ・・・」

「美人だなんて・・・思ってないくせに」

「思っているよ、久美子と付き合っていたけど成人式のときにお前を見て、しまったって思ったんだ。別れるきっかけになったことも久美子がそのことを気にし出したからなんだ」

「久美子が・・・私のことを気にしたって言うの?」

「そうだよ。女の勘って言うやつかな。おれの気持ちに変化を感じたみたいなんだ。正直お前の事がいいって思ったから仕方なかったけど、今のように携帯があるわけじゃないから連絡も出来ずにそのままにしてしまったけど。もう一度会いたかったってずっと思っていたよ」

「門井くん、信じていいことなの?」

美紗子の気持ちがぐらついた。好きだった門井が本当の気持ちを教えてくれたからだ。目の前に居る門井のことが好きになり始めていた。

東京のホテルでの恵子の態度のように、自分も今この一瞬で恋に落ちてしまいそうな予感があった。

「彼に任せて可愛くしているのよ」

と典子に言われた言葉を思い出していた。

「そうしよう」気持ちはそう決めていた。