My Godness~俺の女神~Ⅳ
薄青い初冬の空にひとすじ、絵の具を垂らしたようなちぎれ雲が浮かんでいる。
ふいに空の色がほやけて、悠理は眼をしばたたいた。頬が濡れている。どうやら、知らない間に泣いていたらしい。
でも、俺には、それが何の涙なのかは判らなかった。
あの女への罪の意識、それとも哀れみ?
いや、多分、それは俺自身への哀れみの涙だったかもしれない。
十一月の寒風が悠理の前髪を揺らし、通り過ぎていく。悠理は意味もなくブランコを揺らしながら、ひっそりと涙を流した。
作品名:My Godness~俺の女神~Ⅳ 作家名:東 めぐみ