その時僕はこんなことを考えてた
中途半端に手を伸ばさなければいいのに
今日もまた反省
欲しがらなければいいじゃない
傷つくのを怖がって出した手をすぐに引っ込めるのならさ
でもね、欲しいの
傷つけられるかも知れないのに
傷つけるかも知れないのに
いつの間にか無意識に伸びる手があるの
―--なら、傷つけばいいんじゃない?
---傷つければいいんじゃない?
意地悪な声が聞こえる
私は首を振った
伸ばした手をまた引っ込めて、臆病な私は誰かを拒み続けるの
誰かの中で笑う自分を想像して、微笑みながら
(わかってない
お利口さんはわかってない
傷ついて、傷つけられて初めて
それを癒す手が現れることを)
---HPが減らないと薬草なんてただの草じゃない?
作品名:その時僕はこんなことを考えてた 作家名:ポウ