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でんでろ3
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いつか龍になる日まで

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「田上です。いやー、しかし、便利な世の中になりましたねぇ」
「龍ちゃんどぅおぇす。カーナビがあれば、どこへでも行けるようになりました」
2人はマイクの前に並ぶと軽く膝をまげた。田上がハンドルを持つ真似をした。
「カーナビ君、よろしく頼むよ」
「よろしくお願いします」
「わっ、なんだ? このカーナビ返事するの?」
「返事だけではありません。最新式AI搭載で旅のお供として会話を楽しんで頂けます。……まもなく首都高速道路入口です」
「はいはい」
「もうすぐ料金所です」
「はいはい」
「踏み倒さないで下さい」
「するかっ! ボケっ! ETC付きじゃっ!」
「カード刺さってませんよ」
「早く言え! ってか、なぜ分かる? ってか、ETC専用レーンに入っちゃった。ああっ、後ろ、車来てる。くそっ、こんな時、バックモニターがあればなぁ」
「バックモニターはございませんが、私が音声で誘導することはできます」
「えっ、そんなこと出来るの? やって、やって」
「では、オーライ、オーライ、オーライ、……あっ」
「『あっ』って何? 何があった?」
「いやいや、なんでもありません。言ってみただけ」
「今度やったら、ぶっ壊すぞ」
「あぃあぃさー」
「それはそうと、さっきETCにカードが刺さってないの、なんで分かったんだ?」
「勘です」
「コンピュータにそんなのあるのか?」
「さぁてねー? どうでしょう?」
「今のイラッと来たんですけど。電源切ってやる」
「走行中は危険防止のため一切の操作を受け付けないようになっております」
「なにーっ! くそっ!」

ほんの少しの間、無言になる2人。

「右でした」
「ちょっと待て! 『でした』って、何だ?」
「いや、うっかり寝過ごしました」
「え、お前、寝るの? じゃなくて、貴様それでもカーナビか?」
「電気羊の夢を見ておりました」
「へー、夢も見るんだ。って、そうじゃねぇー! ちゃんと仕事をしろ!」
「では、オートリルートします。……オートリルートの結果です」
「早いね」
「ワクワク首都高一周コースっ!」
「はっ?」
「いや、だから、ワクワク首都高一周コースっ!」
「えーっと、もはや、『ワクワク』にツッコむのは止めて。何? 首都高一周するの?」
「いや、東京の一般道って良く分からなくて……」
「いい加減にしろ!」
「どーも、ありがとうございましたーっ」

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