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でんでろ3
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いつか龍になる日まで

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 ノックの音がした。
 安アパートの1室。お世辞にも片付いているとは言えない。
 さらに、ノックの音。いら立ちを、隠そうともせず。そして、女の声。
「開ーけーてーよーっ! 鍵が見つからないのよー。ねー、寝てるのー?」
 部屋の中で、のそりと何かが動いた。それは、1匹の龍。姿かたちは、水墨画で玉でも握って空に昇っていそうなあの龍。ただ、サイズが小さい。せいぜい体長2メートルといったところか。そして、もう1つ。体の色が赤や緑や茶色の斑模様であった。
「ったく、うるせーなー。人が気持ち良く寝てるってのに……」
ぶつくさ言いながら面倒臭そうにドアまで行き、鍵を開けた。
 入ってきたのは、見るからに水商売の女。本名は朱美、源氏名は観阿弥。冗談で始めた歌舞伎メイクでの接客が受け、妹分の世阿弥ちゃんと「隈取り姉妹」として名を馳せている。
「おっはよー! マイダーリン! 寝てた?」
「普通の奴でも、こんな早朝に起きていない。ましてや、情夫である俺が起きている訳ない。それとも、お前が帰ってくるのを三つ指ついて出迎えろとでもいうのか?」
龍は不機嫌だ。まあ、早朝に、いきなりたたき起こされれば、たいていの奴は不機嫌になろうというもの。
「そこまでしなくていいけどさー。働いてないんだからさー。せめて、愛情は表現してよ」
「お前も、あいつらみたいなこと言うのか?」
龍は、陰で、「斑のヒモ」と呼ばれていた。それを聞くたび、龍は怒った。「こんな太い紐があるかっ!」と。
「それに、俺が斑に見えない奴もいる」
「もぅ、あの人は赤緑色弱だからでしょ」
何度も聞かされた、とばかりに溜め息をついた。
「でもね、あんたに働いてもらわなきゃならないかも」
「なんだと?」
「あたしね、赤ちゃん出来たかも」