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「レイコの青春」  13~15

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 当時の3歳児の神話の概念の中には
「前頭葉や右脳の発達は、母親が、子供が
3歳になるまでに行うのが責務だ。」

という、脳科学の見地までが取り込まれています。
ここでもまた母親への重圧として、「いかの子育てに専念すべきか」が、
ことさらに強調をされています。



 ここ最近の調査結果でも、
そうした影響は、今でも女性たちには色濃く残っているようです。


「3歳児の神話は気になるか?」という問いに、
働く母親たちの答えは、とても気になる・まぁまぁ気になる
というのが、40%という結果がでています。


「小さい時が大切」という意味の中には、
人としての成長をするために、幼い時にこそ、おおくの愛情を
充分に受けて育てられる必要が有ります。
しかしその愛情の全ては、母親が賄(まかな)うのみではありません。
小さいときから、その子の周りに居るすべての周囲から、
しっかりと愛されること自体が、極めて大切なことになるのです。
「愛されること」のたくさんの経験の蓄積が、やがて人を愛し、
信じることができるようになるための、
大切な気持ちの源泉にかわります。



 
 1998年に至って、公式文書でもある
「厚生白書」が「合理的な根拠はない」として、
これらの「3歳児の神話」を全否定したことは、たいへんに、
画期的な出来ごとになりました。
しかし、後になってから是正はされたとはいえ、こうした風潮の影響が
いまでも不足したままの保育園の実態や、
日本における一貫した幼児教育の遅れを生んできた、
もっとも大きな原因になってきたのです。