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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十四回】雨上がり

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遠くでまだゴロゴロと響く雷
ずぶ濡れのゼンゴと慧光とは逆に白い布の人物だけは何故かざぁざぁ降り続く雨には濡れていなく口元には笑みが浮かぶ
「…知り合い…?」
坂田が白い布の人物を指差して柴田に聞く
「まぁ…知り合いというか…知り合いになりますけど」
答えた柴田は口元は笑っていても目は白い布の人物をじっと突き刺すようににらんでいた
「あ…の人…」
後ろの方で窓の外をみた母ハルミの目が見開く
「…ハルミさん?」
中島が母ハルミの顔を覗き込む
微かに震えていた唇をきゅっと噛み締めた母ハルミの顔が悔しそうに歪んだ
「ハルミ…?」
烏倶婆迦が心配そうに母ハルミの服をつかみ体をすりよせる
「ハルミママ…?」
悠助も母ハルミを見上げ声をかけた
「…ハルミさん…」
柴田が母ハルミの両肩に手を置くと母ハルミが悠助と烏倶婆迦を一緒に抱き締めた
「…ハルミさんも知って…るんだ…」
南が母ハルミと窓の外を交互にみて言うと抱き締める母ハルミの腕に更に力が入った
「ハルミ…? どうしたの? どこか痛いの?」
「ハルミママ…? なんで泣いてるの?」
柴田が背広を母ハルミにかけた
「……」
天と空の面々が窓の外を見る
その顔は決して穏やかではなく
「…な…なんか重々しい…よな…」
坂田が南に耳打ちすると中島と南が頷いた
「式ごときが僕様に勝てると?」
微妙な一人称だがからかうような雰囲気で白い布の人物がゼンゴに向かって言う
「やってみないとわからないんだやな」
ゼンが構えの姿勢のまま返すとスッと白い布から出された手がゼンゴに向けられる
「まずい…!!」
柴田が窓から飛び出すと瞬間で摩訶不思議服を纏った
一瞬見えたのは耳から下がった黒い…
矜羯羅と乾闥婆が二人並んで窓の外に向け手を翳す
迦楼羅と制多迦が三馬鹿と母ハルミ達の前に立った
「生意気な」
白い布の人物の口元が見えた
浮かんでいたのは笑み
「操…」
母ハルミが小さく震えながら操の名前を口にした