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RED+DATE+BOOK01

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「へぇ~!じゃあアンタは俺のファンなんだな?」

コクンと頷く青木。


「じゃあ、これから一緒にプレー出来るな!よろしくな!」

そう言うと青木はなんとも嬉しそうな顔をして座ったままの俺を抱きしめた。

きゃー!!恐怖二回目!!??

「か・・・楓・・・コイツ抱き癖でもあんのかよ!?」

「ボクも・・・春がこんなに喋ってる所はじめて見た。抱きついてる所なんか見たこと無い。」

唖然と佇む楓。

クラスメートも静かです。

なんにせよ、俺に友達は何人か出来ました。







「あ。やべぇ。」

昼休み。

流石に昨日の今日で学食には行けず、おふくろに弁当を頼んだのだけどどうやら忘れてきてしまったら

しい。

しかし携帯を見てみると新着メールが。

見てみれば桐生さんで、お弁当を届けに校門で待っていると。

マジで!!?わざわざ弁当の為に来てくれたの!!?

俺が楓と青木に事情を話すと教室で食べようといってくれた。

必然的に楓と青木は購買のパンになってしまうけど。

俺は一緒に行こうか?という楓のありがたい申し出を断って、校門まで走った。

1年の教室は3階でそこから1階まで降りて門までダッシュだから結構体力トレーニングになるかもし

れない。

車を出て待っている桐生さんに手を振った。

「ハァハァ・・・すいません。桐生さん。」

「いえ、そんなに急いでくる必要もありませんでしたのに。」

「や。友達も待っててくれてるんで。」

そういうと桐生さんは嬉しそうに笑った。

「お友達を待たせてはいけませんね。では、また帰りにお迎えに上がります。」

「今日はちょっと部活の方みたいから遅くなるかも。」

「ええ。では時間を合わせてきますよ。」

「よろしくお願いします。」

俺はお辞儀をして4段あるお弁当を抱きしめた。

飯!!超腹減った!!

並木道を通り過ぎてルンルン気分で昇降口に向かう。

その時上から何かが降ってきた。



バシャン!!!!



「え?」

一瞬何が起こったのか分からなかった。

上から聞こえる笑い声。

反射的に上を向くと、其処には朝いたあのいじめっ子可愛こちゃんがバケツのような物を抱えながら俺

を見て笑っていた。

今時水かよ!!!!

ぐっしょり濡れた肩を見る。

俺はもう一度上を見た。

既にそこには誰もいない。

4階!!!

って事は先輩か!!!

「くっそーーー!!!」

俺は何も考えるまもなく其処に向かって走り出した!!

一発くらいぶん殴ってやる!!

いや、ぶん殴らなくても文句くらい言ってやる!!

俺は一段抜かしで階段を上がっていった。

髪から滴る水がうっとおしい。

ソレを払いのけて気づいた。

「え?」

手についた水が黒いんですけど・・・。

もしかしてがぶったのって墨汁!!!??

なんて考えが一瞬頭をよぎったが直ぐに本当のことに気がついた。

ヘアカラースプレーだ!!!

「ヤバイ!!」

俺は進路変更して教室に走り出した。

「楓!!!!」

ガラッと乱暴に扉を開けて大声で楓を呼ぶ。

「り・・・亮・・・どうしたの!?その姿!!?」

「話は後。どっかにめちゃくちゃ水があるところねぇ?汚しても大丈夫そうな所?」

俺は明星の上着を脱ぎながら楓にソレを預ける。

ついでに入り口で唖然としていた純平に弁当を渡した。

「じゅんぺー!それちょっと持ってて!!」

「あ・・・ああ。」

俺と楓、そして青木は急いで教室を出て行った。

「水が一杯で汚しても大丈夫な所・・・。」

「・・・中庭がいい。」

「案内頼む!」

俺たちは階段を下りて一階の校舎を走り回り中庭に躍り出た。

中庭は中靴でも出れるようになっていて土ではなくレンガが敷き詰められている。

「水は!?」

「あそこの噴水で・・・!」

楓が指差したところは白い大理石で出来た噴水。

しかしその周りには人が沢山いる。
作品名:RED+DATE+BOOK01 作家名:笹色紅