L.H.B. ~Left Hand is Black~
悠介の遺体は、共同墓地に埋葬されることになった。
僕は、神奈とともに葬式で悠介を見送った。
でも、悠介のことだから棺桶から「嘘でした」って笑って出てきそうで、僕もそれを望んだけど……現実に悠介はもう戻ってこない。
その時悠介が言ってた【現実の冷たさ】を感じた。
でも、現実でできてる世界……それぐらいの冷たさに堪えないといけないんだとも思った。
人間は強くない、と何人かの哲学者はそう言うかもしれないけれど……
現実と共に生きてる人間は冷たい現実に堪えて生きてる。
決して、弱いわけではない。
現実は、人間を厳しく育てる親のようだ。
悠介は、親に捨てられていた孤児だったけど……悠介も現実という親を捨てていた。
現実に生きる人へ、強くあってください。
僕からの願いはそれだけで十分伝わると思う。
作品名:L.H.B. ~Left Hand is Black~ 作家名:鬼城 地球